聖書箇所
第一日課 イザヤ 58:11~14
第二日課 2コリント 5: 1~10
福 音 書 マルコ 3: 1~12
説教題:「手を伸ばしなさい -Estende a tua mão-」
導入
日本で臓器移植法の改正案が、議論されているようです。終わる命と、それによって、助かるいくつもの命。終わるというより、終わったと判断して、というところが、脳死ということと、判定というところの神様ではない人間の知恵から答えを出そうとする、難しいところだと思わされます。クリスチャンの提供者の遺族から、死んでしまっても人の役に立つなら、こんな感謝なすばらしいことはない、と聞き、心動かされ、考えさせられたことを思い出します。
み言葉に聞く
安息日に律法で禁じられている癒しをすることにより、手のなえた人は癒され救われましたが、これをきっかけに、イエス・キリストは殺されることになっていくのです。「安息日に律法で許されているのは、善を行うことか、悪を行うことか。命を救うことか、殺すことか。」人を救えば、自分を滅ぼしてしまうという、究極の選択。それを覚悟で、命を懸けてくれたイエス・キリスト。実は、イエス・キリストの人生と十字架の死は、それに尽きるのです。脳死判定と臓器移植という事柄とは比較にならないほどの、もっと積極的な、徹底的な自己犠牲と、他者への奉仕だと思います。そこに現わされているのが神の愛です。
振り返り
これに対していつもちぐはぐで対照的なのは、人間の心です。ファリサイ派の人々は、その場を出て行き、ヘロデ派の人々と、イエスをどうやって殺そうかと、話し合いを始めます。そして、病気を治してもらおうと、たくさんの人々が集まります。自分が正しいと思うあまり大切なものを見逃してしまう気持ち、他者を受け入れられない気持ち、あるいは、自分へのご利益だけや目の前の都合の良い問題解決だけを願う気持ちが溢れているのです。聖書の文字面だけを読んでいても、目の前の奇跡だけを見ていても、大切なものを見逃してしまいます。一方、「イエスを見るとひれ伏して、「あなたは神の子だ」と叫んだ」「汚れた霊」のほうが、イエス・キリストの本質を見抜いていたのです。
奨め
しかし、私たちの不完全さと、弱さは、神様はご存知です。そして、そんな私たちに、「手を伸ばしなさい」と呼びかけてくださるのです。「手が萎えた人」、それは私たちの人生をも表しています。逆に「心かたくなな人」にも「手を伸ばしなさい」と呼びかけられているはずです。
そして、忘れてはいけないのは、キリストご自身が、私たちに手を伸ばしておられるということ。その手は、きれいな柔らかな手ではなくて、その手のひらに、十字架に釘付けされた痕がしっかりと付いているのを見逃してはいけません。その傷は、人々がこの正しい方を十字架に追い込んで殺してしまった証拠です。私たちが人を傷つけてしまうたびに、キリストの手に釘を打ち込み続けているのと同じ苦しみを背負わせていることを思い出します。
リオデジャネイロのキリスト像。有名な観光地で、たくさんの人が見物をし、写真を撮ります。狭い展望台から大きなキリスト像と共に自分たちをカメラに写そうとすれば、なかなか収まりません。人々は、地面に寝転がって、地面すれすれから互いに写真を取り合っていて、とてもほほえましい光景でした。私は、カメラを向けながら、レンズを目一杯望遠に合わせて見ました。キリストの両手を見てみたかったからです。しっかりと、釘の痕も刻まれていました。キリスト像の右手、左手を、アップで写真も撮ってみました。この大きなキリスト像の、その手の小さな傷跡に気付く人はどのくらいいるんだろう?と思いながら、山を降りました。
キリストが私たちに伸ばしてくれているその手に、深い傷跡があることを思い、悔い改めと、神と人を愛することができるようになりたいと、思わされます。
心が萎えていて何も出来ないときも、心かたくなになり、また心を閉ざしているときも、「さあ、手を伸ばして御覧なさい」とキリストは、呼びかけているのです。私たちの人生の、トラブルや困難さ、病気や迷いごとも、キリストは引き受けてくださいます。
天地創造の画の神様もその手をアダムに伸ばしている。キリストも、その傷のある手を私たちに伸ばしている。私たちも、萎えた手を、神様に向かって、新しい明日に向かって、そして隣人に向かって、伸ばしましょう。
祈り
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2009年6月28日日曜日
ようこそ
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